足立美術館の魅力展 上村松園「娘深冬」 横浜高島屋



仕事帰りに、上村松園の絵を目当てに立ち寄ってきました。すると、この島根にあるという美術館が大変な名園であることが分かり、いつか行ってみたいなという気持ちになりました。
 なんでも2003年日本庭園ランキングで一位に輝いたということですが、写真やビデオで見るだけでも名画そのもののように美しい。。

 ところで、内容ですがとても見応えがありました。横山大観のコレクションが大したものなのですが、どうも私はこの画家の絵をいくら見ても、何も感じるところがないのです。なんというのか、全然入っていけないという感じです。ただの紙に描かれた図柄のようで、恐らく感性が合わないのでしょうね。
 
 それに対して、こちらが私の目的でもあった松園の美人画の素晴らしいことといったらありません。特に画集を見て前から本物を見たいと思っていた「待月」や「娘深雪」。他に「牡丹雪」の三枚しかなかったのですが、もう圧倒的な存在感を放っていました。

 「待月」にはただ月を待っているとは思えない深さがあります。何を待っているのか、、。そこにはせつないような、待ちこがれているような、でも半ば諦めているような、様々な感情が入り交じっていながら、それでいてどこか懐かしくほっとできるような感じ。。ずっと眺めていたいそんな作品。

 そして「娘深雪」の美しさには感動してしまいました。とにかく実に美しい。そして大画面からくる生の迫力。そこには描かれた若い女性の魅力が溢れ出ていて、こちらが恐縮してしまうほどです。こんな人が目の前にいたら、どきどきしてしまいます。こんなにたおやかで生来の美しさに恵まれた女性が、どこか恋の悩みで心をかき乱されているような、それでいて清純な、なんともいとおしくなるような感じ。。とにかくこの絵を見られただけでも、幸せという気がしました。

では、また。
5/7/04

Posted: Fri - May 7, 2004 at 10:05 PM      


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