マルセル・デュシャンと20世紀美術  <辛口>


横浜美術館 


一応デュシャンは観ておこうと思い、連休半ばに行ってきた。魁夷展の時の大混雑を思い出して、混むといけないと思い開館すぐに行ったが、ほとんどがら空き状態だった。訳が分からなそうなせいか、人気がない様子。。

 かの有名な便器にサインをしただけの『泉』(今現在観てもなんとも思わなかったが、、)、『階段を降りる裸体No2』(これは確かに迫力があった、後世にまで多大な影響を与えているだけのことはあるのだろう)『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも、=通称 大ガラス』(これが大きなガラスに描かれたものだとは知らなかった、コピーでは目にしていたのだが、、かなり巨大である。作品には何しろ人間らしいものは何一つ描かれておらず、花嫁や独身者その他が器械もしくは記号と化している)その他、デュシャンの影響を受けた現代作家の作品が並ぶ。

 しかし、実物を見てつくづく思ったのだが、20世紀は大量生産された物や機械が謳歌された時代であって、心からの感動を呼ぶような物は存在していないように思えた。デュシャン以外の作品群も私には不気味にみえるだけで何も感じるところはなかった。

21世紀を向かえて、現代社会に疲れた人々は刺激ではなく、心を癒してくれる美しいものを求めているのではないだろうか。同じ場所で行われた東山魁夷に惹かれてあれほど集まった人の群れと今回のがら空き状態を見てそう思ったのは私だけであろうか。

Posted: Sun - January 9, 2005 at 05:26 PM      


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