『絵を描く悦び』千住博


本質をついた画期的な本

千住氏のエッセイをどこかで読んで、とても共感したので本を手に取った。これは2冊目である。
芸術というものについて非常に深い所まで書かれており、文章自体もとても読みやすく分かりやすい。

そして何よりも、絵が描きたくて溜まらなくなる本である。千住氏が説いていることを自分も試しにやってみたくなるのだ。絵に取り組んでいる人、また取り組もうとしている人に対して叱咤激励しながらも、常に温かい眼差しが注がれている。

本書を貫いているのは、千住氏の「本気」である。その気迫に圧倒されながらも、読んでいて刺激され魅了されていく。非常に厳しく自己を見つめ、それこそ命がけでこの人が絵という表現媒体に取り組んでいるのがよく分かる。
全ての分野において言えることだが、自己の限界に挑戦し続ける人というのは、抜きん出て輝いている。

Posted: Mon - February 28, 2005 at 07:38 PM      


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