『一月物語』平野啓一郎


私の大変気に入っている一冊。

この短編は、あまりに私の好みなので困ってしまうくらいだった。
こよなく堪能させて頂いたが、こうした作品との出会いはそうめったにあるものではないので、
しみじみと嬉しくなるのである。
様々な作風のものを書ける超人的な作家だが、是非このシリーズのものをもっと書いて欲しい。

 泉鏡花の世界を彷彿とさせる、怪しくも美しい世界に格調高い文章で浸ることができるのだから。
あと私は変わっているのか、漢字が多用されている所がまた好きなのだ。
重厚かつ折りたたむような深い表現ができると思う。
とにかくうっとりしてしまう作品だ。

Posted: Sun - April 11, 2004 at 05:18 PM      


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