ラヴェル / サティ大好きな私



(富田勲・ドビュッシー・フランソワに続く)

 フランソワの話が出たのでついでだが、私は彼の演奏によるラヴェルのピアノ曲全集も愛聴している。ドビュッシーの幻想的なピアノ曲が好きな人にはお薦めである。
特にラヴェルの「水の戯れ」は素晴らしい。音が光と水の繊細かつ流動的な動きを見事に捉えて表現し得ているのだ。聴いていると本当にきらめく光を含んだ水しぶきのシャワーを浴びているような気分になる。「古風なメヌエット」もサティを思わせるような一つの単音に込められた豊かな音色に思わずうっとりする。

「夜のガスパール」にある曲も幻想的で異次元の世界に浸りきれる。これは詩人ベルトランによる散文詩に感動したラヴェルがその夢想的な夜の不気味な魅力を音で表現したものである。その中の「水の精」が殊の外美しい。ベルトランの幻想詩も怪しい魅力に溢れている。

さて、ドビュッシー、ラヴェルときたら、やはりサティについて何か言わねばと思う。何を隠そう私はサティが死ぬほど大好きなのだ。だから私の中でサティは別格なのである。愛聴しているのは、パスカル・ロジェの演奏によるピアノ作品集である。
「3つのジムノペディ」について言えば、これほど繰り返し聴いている曲はないかもしれないほどである。なので恐らくもう私の一部になっているし、今更あれこれ言うのも恥ずかしいくらいである。とにかく私の感性に完璧なまでに合っているので死ぬほど繰り返し聴いても飽きることがないのだろう。ちなみに自分の披露宴で両親への手紙を読むという大事な時にまでこの曲を演奏して頂いている。

Posted: Mon - March 1, 2004 at 11:56 PM      


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