富田勲 / ドビュッシー / フランソワ 




『月の光』こちらもネットで買った一枚。巽孝之氏の『プログレッシヴ・ロックの哲学』を読んで買ってみた。ドビュッシーの名曲をシンセサイザーで創作したもの。74年に発表していることから、正にシンセサイザーの可能性を開拓した先駆者的アルバムである。

 実はドビュッシーのピアノ曲が殊の外好きな私は、普段からよくサンソン・フランソワのピアノ演奏による『ベルガマスク組曲』を聴いている。ピアノの音をこよなく愛し、またあまりにも親しんでいる為か、正直言って最初に聴いたときは物珍しさと面白さは覚えたが、やはりピアノの曲の方が好きだと思った。
しかし今こうして深夜に聴いているとまた趣が変わってきた。つまりこれはドビュッシーうんぬんではなく、富田勲による全く別の作品として聴くと、これはこれでいいではないかと思えてきたからだ。
しかも夜中に聴くと昼間よりずっとしっくりと音が空気と馴染んでいる。ということは、ドビュッシーは元々夜に聴くのが正しいと思うのだが、富田氏のこのアルバムもその流れを十分に汲んでいるという証拠になりそうだ。

Posted: Tue - March 2, 2004 at 11:57 PM      


©