ケアリイ・レイシェルの歌声に癒されて (ハワイアン・コンテンポラリー)



今年の一月からフラダンスを始めて、すっかりはまっている私はハワイアン音楽にも興味を示し始めた。数枚購入してみたが、ケアリイ・レイシェルのCDが実に素晴らしいのでここに紹介したい。

 私が買ったのは、デビューアルバムの『カワイプナレ』と新作の『ケアラオカマイレ』の2枚。どちらも聞き惚れており、しかも何度聞いても飽きない。このCDを流すと空気が柔らかくなり、体の力がほどよく抜けて、心地よい明るさに満ちてくる感じがする。本当に全ての人にお薦めのCDである。

 実はフラを習っている人は皆知っているというほどケアリイは有名である。元々はフラダンサーであり、フラのグループを主宰していたほどだから、写真を見るだけでも彼の肉体は鍛錬された迫力がある。いわゆる筋肉体なのだが、ダンサーの持つ肉体美が眩しいくらいだ。ジャケットの写真を見る限り、ごっついというイメージなのだが、彼の歌声ときたら、まるで天上の声のように優しく心に響いてくる。

 近頃はこのCDばかり聴いているが、彼の声の性質とよく似ていると気づいたのが、アーロン・ネヴィルである。アーロンは世にも美しい高音のバラード名手であるが、彼の外見はその声とは裏腹に非情にごっつい感じのする筋肉質の大男なのである。(ちなみにネヴィル・ブラザーズ好きの私はアーロン・ネヴィルを何度も間近で見ている)
 その点からしても二人はとてもよく似ているのだが、私が強調したいのはそうした外見を持つ二人が発する美しい声が、本当に人を癒す類い希なるパワーを持っているということなのである。

二人の背景をざっと追ってみよう。
ニューオリンズのブラックアメリカンであるアーロン・ネヴィルは昔から教会でゴスペルを歌い、ゴスペルをルーツに持つ。一方ハワイのピュアハワイアンであるケアリイ・レイシェルは、フラを主宰していた頃にはチャントさえも教えていたという。ゴスペルもチャントもどちらも非常にスピリチュアルなものである。だから二人が共通の性質を持つというのも、ある意味で当然なのかもしれない。

数多くの歌手の中でも、この二人はなんだか私にとって特別な感じがする。

Posted: Fri - April 1, 2005 at 10:17 PM      


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