『Ray 』 ★★★


レイ・チャールズの生涯を描いた感動作

絶対に観たいと思っていてようやく観れた。
期待以上に素晴らしく、思わず泣けてしまいました。

レイ・チャールズのヒット作がその私的生活の背景と共に流れてくると、思わず胸が詰まりそうになった。
断片的に彼の幼少時の記憶が埋め込まれているが、そこには貧しいながらも凛とした厳しさと愛情に溢れた若い母の姿がある。幼い弟が目の前で溺死してしまうという不幸な事故が彼の生涯のトラウマとなった。それはミュージシャンとして成功してからも影を落とし、麻薬を逃げ道にしても消えることなく、麻薬を完治してようやく救済に至ることが暗示されて終わる。

全編を通して、ひしひしと伝わってくるのは、レイ・チャールズの純粋さと素直さである。これが生涯彼から離れなかったからこそ彼は盲目という厳しいハンディーを負いつつも、その才能を開花させることができたのではないか。
女性問題や麻薬問題こそあったが、彼は真に純粋だったからこそ多くの人に愛される音楽を作り続けることが出来たのだと思う。

盲目が彼のもともとあった素晴らしい耳をさらに磨いた。盲目という厳しい現実が彼に人に頼らないという精神的な強さを身につけさせた。そして盲目ということを乗り越えることで、彼はとてつもなく強く大きくなったのである。これは人に勇気を与え、感動させるのに十分素晴らしいことであると思う。
本当に観て良かった。
これからは彼の音楽をもっと深い所で聴くことができると思う。

Posted: Wed - February 23, 2005 at 08:13 PM      


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