マノレーテ y  碇山奈々 Puro Flamenco 東京芸術劇場中ホール



実は職場の人が公演に出演するというので、仕事が忙しい最中でしたが、池袋まで行ってきました。そして行って良かった、とても良かった!

 碇山奈々氏は日本人なのだけれど、舞台に立つとスペイン人としか思えなかった。ストイックで凛とした男性的な格好良さがある。彼女の舞台衣装は黒のみ。それが似合っていてとてもかっこよい。ソロは素晴らしく感動ものでした。なんというのか、精神性の深さが垣間見られる、そんな舞台。舞台の照明も上手く計算され、実に効果的に使われている。
 
 カンテやギターなどスペイン人を数多く招き、まるでスペインへ行ったかのような雰囲気に思わず興奮する。初めの群舞に職場の彼女が出ていた。黒のかっこいい衣装に身を包み、知り合いというだけあって、感動もひとしお。
 アレグリアスでは衣装が息を呑むほど華やかで舞台にぱっと華が咲いたように美しい。マノレーテ氏によるソロは圧巻だった。舞台に立つだけで凛とした空気が漂い、彼の手の一振りに、会場が溜息をつく。
 本物のダンサーだと分かる。つまり魂までもがフラメンコに染まっているのだ。グラナダ出身、ジプシー村生まれということで、もうその血がたぎっているのだろう。もう一度観てみたいと思った。
 最後に奈々氏とマノレーテが踊るが、まるで夫婦のように息がぴったりだった。フィナーレの舞台挨拶でも、これまたやってくれるというような格好いいポーズで幕。あの領域に入っている彼女が輝いて眩しく見えた。

Posted: Thu - May 20, 2004 at 10:03 PM      


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