『アクロバティック白鳥』 広東雑伎団


中国雑伎団恐るべし

『アクロバティック白鳥』観てきました。
いや、本当に凄かったです。
雑伎団は初めて観ましたが、人間の肉体を極限まで鍛えると
ああいうことまで出来るのかと感動しました。

バレエというよりは雑伎の数々をチャイコフスキーの音楽に合わせて
上手く取り込んでいるという感じで
次から次へと色々な見所が出てきて、飽きさせない。
技も小技から、だんだんと大技へグレードアップしていく。

舞台の幕が上がったときは、舞台美術の趣味の悪さに
ちょっとどうしようか、、と思いましたが
(この辺はまだ発展途上なのですね、、というより雑伎団なのですね、、)
主役の白鳥ウ・ジェンダンが一度姿を現すと悪趣味かと思われる
舞台や衣装もあまり気にならなくなった。

彼女の、その超人的な身のこなしと限りなく細い肢体が
強健なバネのようにしなって
繰り出す踊りが実に美しかった。

どうしてあんなことが出来るのかととにかく驚いてしまう。。
そして王子の肩にまるで無重力であるかのように
軽やかに片足つま先で立ち、美しいポーズを取るところは
やはり圧巻。。
これは一度でなく、何度も披露してくれたから凄い。。

また王子が片腕を真っ直ぐ頭上に伸ばして挙げた
その手平に垂直に乗り、究極のバランス感覚で
しなるポーズをするところも素晴らしい。

そしてクライマックス、王子が騙されて
黒鳥を選んでしまい、白鳥が瀕死で躍るシーン。。
ここでなんと、王子の頭上に乗り、片足立ちで白鳥のポーズをとり
しかも一周したのである。
それがなんとも美しい姿なのであった。
これには本当に感動してしまった。。

その他、黒鳥も艶やかできれいだったし、
ジャグリングの技の数々や
逆立ちで4羽の白鳥を腕だけで躍ってしまう蛙たちも凄かった。

また道化師役として出てきた男性4人が女装した4羽の白鳥になって
いいタイミングで出てきて舞台をなごませた。

あと、身体がゴムのようにぐにゃぐにゃに曲がる女性も
凄かった。シルクドソレイユの番組で同じような人を観たことがあったが
生で観たのは初めてでちょっと怖かった。
内蔵がどうなっているのか、心配になった。。

とにかく主役の白鳥ウ・ジェンダンと王子ウェイ・バォホァ
は最高レベルの技と力を持っていて素晴らしい。

ただ今後、この役がこなせる人材が出てくるのだろうか
とも思われる。
限りない才能と最高レベルの身体能力と
修練に耐えるだけの忍耐力が備わった人でないと
とても演じられるものでなく、また20代でなければ
肉体的に難しいだろう。。
そう考えると、いつでも観られるような舞台ではないと思う。

今回実はそれほど期待していなかったが
観て良かったと思う。
観客全員が間違いなく大満足の舞台だったと思う。

7/29鑑賞

以上








Posted: Mon - July 31, 2006 at 08:10 PM      


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