恵比寿ガーデンプレイス 1/27/04




映画というのは困ったことに中毒性が高い。しばらく観なければそのままで過ぎていってしまうのだが、一度見始めると次はこれ、その次はこれという風に際限がなくなる。

そしてなんとなく見ない日が物足りなく感じてしまうようになるのである。恐らくもっとも手軽に非日常性が味わえ、映画を観たお陰で一日が断続的になるせいか、一日にして早くも映画を観る前の出来事が同日のことだとは思えなくなるのだ。にも関わらずやはりまだ同じ日にちであるので、なんとなく得をした気分にもなるのである。

 それにしても、久しぶりに恵比寿ガーデンプレイスに行った。
映画館内で座っていたら、もうなんと10周年にもなるという。なるほどと思った。

オープンした当時はこの新しい場所はなんとなく違和感があり、周囲に溶け込んでいなかった印象があったのだが、今はそんな空気もない。やはり年月というのは凄いと思う。10年間そこにあり続けたことによって、知らず知らずのうちに、建物は根を生やし、広場は周りの風景と化したのである。

そう思うと、昨年オープンして騒がれた六本木ヒルズのことが頭をよぎった。少し熱が冷めた頃に行ったのだが、かつて恵比寿で感じたのと同じように、もの凄い違和感というのか、作り物であるというわざとらしさを感じてしまったからである。昼間行った時は特にそう強く感じられた。あの場所も10年も経てば、当たり前の建物と化すのだろう。そういずれはきっと当初悪評だったというパリのエッフェル塔のように。

 それにしても今日は、ああ、東京よ...と思わずため息が出た。
というのも帰りにウェスティンの隣にあるビデオ店に寄ったからである。なんだか私は本当に地方都市に住んでいるのだなあとつくづく思い知らされてしまったからである。

というのも、今まで観たいと思って近所のビデオ店に行っても、影も形もなければ聞いても知りませんという状態のために、何年も見ないで過ぎてしまった作品類が、こんなのどこにだってありますよっとでも言いたげにずらりと見事に並んでいたのである。なるほどそういうことか...と思ってしまった。

やはりあらゆる文化的なものは東京に集中しているのである。私はなんだか嫉妬してしまったが、ここぞとばかりにその店で会員カードを作ったのであった。自宅からの距離を考えればそれこそ馬鹿馬鹿しいほど遠いのだが、恵比寿に来る言い訳に映画を見ることを出汁にしてでも、ここでビデオを借りるメリットはとても大きいと考えたからである。

カウンターで住所を書くときはなんとなく一人で、言い訳めいたことをつぶやいてしまったのが...。という訳で見損なっていたビデオを一通り見終わるまでは私の恵比寿通いは続くのかもしれない。。

Posted: Tue - January 27, 2004 at 03:28 PM      


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